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がいとうからみたしんとうきょうのりめん

街頭から見た新東京の裏面

杉山 萠円

「九州日報」1924(大正13)年10~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页

青空文庫

そこへ以って来て、江戸ッ子は金離れがいいと来ているからたまらない。川柳に……三人で三分無くする知恵を出し……というのがあるが、その三分は三人持ち寄りの最後の財産であったろうと思われる。うちを空っぽにして遊ぶことばかり考えている……儲けた金で妻子を肥やすのをシミッタレと考えている心理状態がよくわかる。だから江戸ッ子のうちは繁昌しないのだ」

「江戸ッ子は道中をして帰って来ると、すぐに友達の処へ挨拶にまわる。その先から友達と一所に遊びに行って、道中の使い残しを空っぽにする。『久し振りうちに帰って、嬶珍らしさに出て来ない』と云われたくないために、こうした見得を張ったもので、詰るところ、こんな江戸ッ子の負け惜みが直接の産児制限となったわけだ。花柳病にかかって、間接に子種を亡ぼしたのは云う迄もないだろう」

又或る獣医はこんな話をした。

「牝馬で競馬に出る位の気の勝った馬は、いくら種をかけても決して子を生みません。原因はわかりませんが、一種の神経作用かも知れません。江戸ッ子の女は勝ち気だと云いますから、自然子を生みかねるのでしょう」

こんなのはいずれもうがち過ぎ、又は突飛な議論であるが、参考のため紹介しておく。