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がいとうからみたしんとうきょうのりめん

街頭から見た新東京の裏面

杉山 萠円

「九州日報」1924(大正13)年10~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页

青空文庫

の感じが反映している。そうしてバラック式のリズムを作って、様々の悲喜劇を漂わし、いろいろな流行を移りかわらせている。

そこに吾が大和民族の新しい文化の中心の「におい」があり、色彩がある。

生れかわった彼女……「東京」は新しい「バラック」の着物を着てシャンシャンシャンとあるいて行く。どこへ行くのかわからぬが、如何にも得意そうで又嬉しそうである……が……扨……。

高い処に上って見ると、見渡す限りバラックの海である。青、赤、茶、白、黒、黄、紫、灰色なぞの屋根が、生地のトタン屋根と一所に太陽の下に波を作って、焼け木の森に打ち寄せ、鉄橋を漂わせ、小山を這い上り、煙突を浮かせつつ、果ては銀灰色の空の下に煙のように消え込んでいる。その間に黒い枯木が散らばる、廃墟のような大建築が隠見する、煤煙が流れ、雲が渡り、鳶が舞い、飛行機が横切る。

震災後間もない去年九月十四日に撮った写真を見ると、一町内に二三軒宛位の割合で建っていたのが、今では殆ど立ち塞がっていると云ってよかろう。黴菌や虫ケラの力も恐ろしいが、人間の力もこうなるとエライものである。

「早いものですなあ」

とみんな挨拶のように云うが、実際挨拶に云っても差支えない位すさまじい早さである。