轻松读懂日语经典作品
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
「ワハハ……。不義だと? 他人の妾を盗んだと? 何も知らぬくせに、ほざくな。盗んだのはお前達の親爺の幸右衛門の方だぞ。俺はちゃんと検べ上げてあるのだ。金にあかして、人の恋人を横どりしたのだ。横どりして置きながら、不義呼ばわりをして、あまつさえ、こんな残酷な目に合わせたのだ。それが証拠に、見ろ。恋人が行衛不明になったと知ると、妾の操は、名も分らぬ病にかかって、日に日に痩せ細って行ったじゃないか。そして妾としての用が足りなくなると、幸右衛門は、操を妾宅から追出してしまった。
その時、操は妊娠していた。幸右衛門はそれが不義者源次郎の子だということを知っていた。それは本当だった。
操には身寄りのものもなかったので、みじめな裏長屋で、その子を生み落すと、間もなく病死してしまった。みなし子は、人の手から手へと渡って、大きくなって行った。
親も兄弟も親戚もなんにもない、一人ぼっちの幼児が、この世から、どんな待遇を受けるかということを、君達は知っているか。学校へもは入れず、ろくろく食うものも食わないで、朝から晩までこき使われ、何かというと恐ろしい折檻を受けた。そのみなし子というのは、かく云う俺だ。