轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
「つまらないことを気にしたもんですね。誰かのいたずらですよ。叔父さんが神経を病むものだから、そんないたずらをする奴が出来るのですよ」
上述の福田氏の話を聞くと、二郎青年は事もなげに笑ってしまった。
「いたずらにしちゃ、念が入り過ぎているんだよ。ただ面白ずくで、こんな馬鹿な真似を幾日も幾日も続ける奴があるだろうか。第一、厳重に戸締をしたこの部屋へ、どうして這入って来るのか、まるで魔術師の様で、わしはゾーッとする事があるよ」
福田氏は大真面目で、本当に怖がっている様に見える。
「併し仮令魔術師にもせよですね。ただ紙切れが投込まれる丈けで、別に叔父さんに危害を加えようという訳ではないのだから、うっちゃって置くがいいじゃありませんか」
「ところが、必ずしもそうではないのだよ。この数字には何かしら恐ろしい謎が含まれている。見給え、最初来たのが、『十一月廿日』その次が『十四』、それから一日に一つずつ数が減って今朝は『九』になっている。順序正しく、非常に計画的だ。ところで、今日は何日だったかね」
「十一日でしょう。十一月十一日です」
「ホラ、見給え。十一日の十一に九を加えると幾つになる。