轻松读懂日语经典作品
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くろとかげ
黒蜥蜴
江戸川 乱歩
「日の出 第三巻第一号―第十二号」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,633 字 · 215 页
「色敵をです。北島の野郎と咲子のあまをです。」
「まあ、とうとうやってしまったの……どこで?」
「やつらのアパートで。死骸は押入れの中に突ッこんであるんです。あすの朝になったら、ばれるにきまってます。三人のいきさつは、みんなが知っているんだし、今夜あいつたちの部屋へはいったのは僕だということが、アパートの番人やなんかに知れているんだから、捕まったらおしまいです……僕はもう少ししゃばにいたいんです」
「高飛びでもしようっていうの」
「ええ……マダム、あんたはいつも、僕を恩人だといってくれますね」
「そうよ。あの危ない場合を救ってもらったのだもの。あれからあたし、潤ちゃんの腕っぷしにほれこんでいるのよ」
「だから、恩返しをしてください。高飛びの費用を、千円ばかり僕に貸してください」
「それは、千円ぽっちわけないことだけれど、あんた、逃げおおせると思っているの。だめよ。横浜か神戸の波止場でマゴマゴしているうちに、捕まってしまうのが落ちだわ。こんな場合に、あわを食って逃げ出すなんて愚の骨頂よ」
黒衣婦人は、さも、そういうことには慣れきっているような口ぶりであった。
「じゃあ、この東京にかくれていろっていうんですか」