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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页
全滅とは必ずしも全部が死んでしまったという意味じゃない。死ぬか、さもなければ怪我をするかして、満足に動ける者がなくなりゃ、これをやっぱり全滅と報道していいんだ。だから皆死んだとは断定できない」
「しかしねえ……」
「まあ、待てよ。それにだ、もし博士一行が海底で全部死んだものなら、海底に怪人集団を発見したことを報告できやしないよ。われわれの場合は、ちゃんとそれを報告しているんだ。しかも吾人の想像に絶する巨大なる力を有するものだとか“性情頗る険呑なるもの”などと相当深い観察までが伝えられている。おまけに今後の調査団の強化までが決定されているじゃないか。そして、“全世界に有史以来の大恐慌が起るであろう”などと相当責任のある予想をつけ加えている。これらのことを考え合わすと、ワーナー博士の一行が全部海底で死滅したんでは、こんなしっかりしたことは報道できやしないよ。そうじゃないかね」
「君の説に賛成するよ」
その場において反対する者はなかった。
だが、ワーナー博士一行の所在をつきとめる方が早道だという者と、発信者を探したがよい、殊に第二報が聞えたら、すぐ無線探知器を使って発信者の位置を決定をする用意をなすべきだという者と、方針は二つに別れた。