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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页
それでも世界の一部には懐疑病に取憑れた政治家があって、その報道の荒唐無稽なること、それが某国のためにする神経的威嚇であるとして攻撃を加えた。しかしこういう人達は、恐らく頭上に原子爆弾が落ちても、身は真黒焦になってしまった後でも、原子爆弾の威力を信ずるとはいわないひねくれ者一派にちがいなかった。そういう一派はいつの世にも必ず棲息しているものだ。
世界連合の臨時緊急会議がロンドンで開催せられた。これはいわずとしれた、大西洋海底の怪人集団に対するわが全世界の態度と処置を議するためのものだった。
その会議は、なかなか纏らなかった。それは怪人集団に対する全世界の歩調一致はすぐさま可決されたのであるが、それでは如何にこれを処置すべきかという問題については一向信頼するに足る具体的方法が発見されないためだったといえる。
アメリカの上院議員パスニー氏は、突然次の如き見解を発表した。
「地球防衛はわれら世界人類の義務であると共に権利である。地球外よりの無断侵入者に対しては何の仮借するところがあろう。よろしく即時われらはその全武力を大西洋海底に集中し、一秒たりともより速かに、かの無断侵入者を殲滅すべきである。