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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页
またかつては頻々と椿事を起して世界の人々を戦慄せしめた怪事件も、その後すっかり跡を絶った。
こうして、ゼムリヤ号の山頂座礁事件から始まった一連の恐怖事件は、一応解決し、終結をとげたのであった。そしてこの事件の名称は、ゼムリヤ事件の名誉ある第一報発信者のドレゴが採用したとおり“地球発狂事件”と呼ばれることに本式の決定をみた。この物語はこれですべて述べ終ったのであるが、なお、この上に書きつけて置くのがいいかと思われることは、エミリーが遂に水戸夫人となったことであるが、これはそう簡単なことでなく、殊に当時水戸が仲々うんといわなかったのを、ドレゴがさんざん説きつけてやっと結実に至ったのだった。それは水戸がエミリーを嫌っているわけではなく、水戸は結婚という問題をこの十年あまり全く考えたことがないためであったという。
それから、これは今更説明する必要もあるまいが、ゼムリヤ号がヘルナー山頂に吹き上げられたのも、駆逐艦D十五号が一団の火焔と化したのも、共に彼の怪物団の行使した驚異のエネルギー投射によるものであった。
それからもう一つ、水戸記者が、かかる事件を探訪して、「あのような事件を肯定するためには地球が発狂したと思わねば答えが出ない」