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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页
談笑が、煙草の煙とアルコールの強い匂いで飽和したサロンの空気をかきまわす。
水戸もドレゴも、その渦巻の中に顔を見せていたが、給仕が入って来てドレゴに何か紙片を渡した。ドレゴはそれを受取ると、はっとした様子で立上るとサロンを出ていった。
ドレゴが再びサロンへ戻って来たのは、それから三十分ほど後のことだった。水戸は逸早く彼を認めた。そして彼が非常に興奮していることも、同時に見て取った。
「どうしたんだ、ドレゴ」
水戸は彼が元の席についたとき、低い声で訊いた。
「うん……後で話すよ」
ドレゴはそう応えて、苦しそうに顔を歪めた。水戸はそれ以外彼を追求しなかった。今この友人を更に苦しめてはならないと思ったからだ。
宴が果てたのは、それから一時間後のことであった。時計は午後十一時を廻っていた。酩酊はしていたが、さすがにホーテンスはサロンを出るとすぐワーナー博士たちの打合せ会議が済んだかどうかを訊いた。会議は少し前に終わっていた。ホーテンスは、水戸とドレゴを呼んで博士の部屋を叩いた。
「ようやく準備は完了したよ」
と博士は満足らしく微笑した。
「その後、事件について何か判明したことはありませんか」