轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
姉さん、お前寒いのかい。いやに震えているね。ハハハハハハハハ」
雨戸を隔てている為か、その声は異様に物凄く聞えた。
「オイ、それゃいけない。猿轡を取るんじゃない。返事はしなくってもいいんだ。ただ俺の云いつけ通り、こっちへ出て来りゃいいんだ。ヤイ、出て来ないか」
猿轡をはめられている相手は、一体何者であろうと、好奇心に燃えながら見つめていると、細く区切られた眼界の、古畳の上に白いものが現われた。手だ。それから裸の膝だ。やっぱりそうだ。相手は若い女なのだ。手と膝小僧だけしか見えないけれど、この若い女は裸にされているのに違いない。
「オイ、山印、これでよく見えるだろう」
巨人の横顔が、山印という仲間に呼びかけたものらしい。
「ウン、見えるよ。すっかり見えるよ」
それは一種名状し難い、浪花節語りの様な嗄声であった。そいつが、どこにいるのかは、ちょっと見当がつかなかった。女が部屋の真中に出て来ないと、よく見えない様な場所に坐ってでもいるらしい。
「思う存分見てやるがいい。こいつはお前の敵なんだから」
「ウン、見ているよ。だが、そんなに坐っていたんじゃ面白くないね。突転ばしてやりなよ」