轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
グラグラと眩暈を感じたかと思うと、目の前の暗闇が、忽ち灰色にぼやけて行って、何もかも分らなくなってしまった。彼は麻酔剤の為に意識を失ったのだ。
守は薄れて行く意識の中で、幽に彼の身体が宙に持上げられるのを感じた。持ち上げられたまま、フワフワと漂って行く様に感じた。
事実、意識を失った彼の身体は、黒い人影によって、どこかへ運ばれて行ったのだ、この人影が何者であったかは、読者の容易に推察される所であろう。
守青年は功を急いだばっかりに、遂に悪魔の手中に陥ってしまった。彼はどの様な場所で再び目醒めることであろう。そして、どの様な恐ろしい光景を目撃しなければならなかったことであろう。
いつも何かに包み隠されている、ちっぽけな、不気味な怪物とは、抑々何者であったか。そいつは果して殺人団の真の首領であったのか。若しそうだとすれば、この力のない子供みたい奴が、残虐極りなき数々の殺人を思い立った動機は、一体何にあったのであろう。
ビルディングと蠍
その翌日、帝都の二ヶ所に、常識では判断も出来ない奇怪事が突発した。一ヶ所は丸の内のオフィス街の真中に、一ヶ所は桜井邸の二階大広間に。