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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

吉川英治『宮本武蔵(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:宮本武蔵、宮本武蔵。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 页

青空文庫

応仁の乱以後の長期な戦乱つづきである。世人は平和の招来に渇きぬいている。武家はとにかく庶民百姓は、豊臣でも徳川でもよい、ほんとの平和が建設されるものならば、というのが偽らない多くの気持であったにちがいない。

家康は秀忠に職をゆずる時、

(そちのなすことは何か)

と、諮問したそうである。

秀忠はすぐ、

(建設にあると思います)

と、答えたので、家康は大いに安んじたということが側近から伝えられていた。

秀忠の信条は、そのまま今の江戸にあらわれている。大御所の認めていることでもあるし、彼の江戸建設は思いきって大規模で急速だった。

それに反して、太閤の遺孤秀頼を擁する大坂城では、戦争に次ぐ戦争の再軍備にせわしかった。将星はみな謀議の黒幕にひそみ、教書は密使の手から諸州に奔り、際限もなく牢人や游将を抱え入れて、硝弾を積み槍をみがき、濠を深めて備えに怠りないのであった。

(今にも、また、合戦が)

と、恟々たるものは、大坂城を中心とする五畿内の住民を通じての空気であり、また、

(これからは、ほっとできよう)

と、いうのが江戸城を繞る一般市民の心理であった。

必然――