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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
しかし捜査する我々にとって、犯人が残してくれた乗ずべき隙は、これ以外にはありません。なぜ現場へすてて行かなかったか? ピストルはどこにあるか? ピストルが邸内のどこにもないということが決定的となるだけでも、我々の捜査範囲は明確に一まわり狭められることとなります。すくなくとも、その場合は、犯人は当夜家にいなかった誰かの中の一人であります」
大矢捜査主任はうなずいた。
「われわれは巨勢さんのお言葉にしたがいましょう。探しすぎて悪いということはない。これだけの邸内を探すに、一日は長い時間ではないよ。われわれは手分けして探すことにしよう。たとえば手型を探すには、あらゆる本の頁をしらべることも必要だ。手型組。タンスや畳などの家具を動かしてしらべる組。屋板裏や縁の下の組。庭の組。そして、巨勢さんと三村君には、可能性の問題、あらゆる微細な痕跡の調査を願いましょう」
手分けして捜査を開始したが、大矢警部は特に各組の刑事巡査に向って、
「この捜査は事件を解決する最初の重大な鍵である。いかなる平凡な場所、小さな隅を見残してもいけない。昨日調べたからといって、本日油断してもいけない。