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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
「お前のでゝきたあとで、誰か、安彦さんの部屋へはいった人はなかったかね」
「どなたも見かけませんでしたよ。美津子様が東京からお帰りになったのが、食事がはじまって間のない頃でした。それから、何か、安彦様に間違いないとか、仰有っておいでゞしたが、旦那様は、丹下左膳だの、化け物めが、などゝ仰有って、そんな話に耳をかしたくもないような御様子でした。酒がまずくなる、と仰有いましてね。美津子様も、あれは夜見る人じゃないわネと仰有って、笑っていらした程でした。皆さん、アッサリしたものでございます」
「滝沢さんが会社の用で出かけたのは、美津子さんが東京から帰ってからかね」
「ハイ、そうです。美津子様がお帰りの時は食事をしていらっしゃいましたよ。私は、それから、スミ子にまかせて、安彦様に食事を差上げておりましたから、滝沢様のお出掛けも、ウチの宿六のお出掛けも、一向に見ておりません」
「お前は安彦さんの部屋をでるとき、カギをかけなかったんだね」
「ハイ、そうです。便器もシビンもあることですから、いッそ外からカギをかけちゃえば、よかったと思いますよ」
「この家のカギは、内側からかけて、外側からも開けられるかね」