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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
変った家で、外から見ると、ちょッと支那風の趣をとった鉄筋コンクリートの平家造り。小田原市では大震災でペシャンコにやられて以来、二階を厭む人が多いが、倉田由之がそれで、耐震に特に注意を払ったという。胴体は鉄骨鉄筋だが、屋根は木で軽くできている。
滝沢起久子が射殺された部屋の外では、特にメンミツな調査が行われたが、手掛りは一つもない。どこから射ったか足跡もないし、邸宅内外を特設の捜査隊が探しまわっているが、いまだにピストルも発見されないのである。
「犯人も案外オメデタイ人物なのかね。ピストルが見つからないとは、どうかしていやがる」
三村刑事がつぶやいた。
「ピストルが見つからなくちゃアいけませんかね」
と私。
「いけないッてこともありませんが、犯人は内部にいない、ということをワザワザ教える必要がありますかね。外から来たという証拠を一つも残していないほど用心がいいクセにね」
大矢捜査主任はうなずいた。
「ピストルを徹底的に探させるのだ。塀の外周三四百米と庭の中になかったら、部屋の中を、縁の下も天井裏も残るクマなく探すのだ。今のところは、これにまさる手がかりはない。