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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
今朝は無性にねむたくって仕方がないから、ウチへ帰って、かかりあいになって眠りそこねちゃ大変だと思いましてね。隠れ家でようやく寝こんだところを叩き起されちゃ、やりきれませんや」
「マア、怒るな。我々はみんな一晩ねていないし、今朝もねむりやしないのだからな。ここのウチに何かあったということを誰にきいたな」
「なアに、魚市場の方へ漕いでくると、大謀網から戻ってくる若い奴らが教えてくれたんですよ。お巡りさんがボクを探している、とね。おまえのウチに何かあったらしいぜ、と云いやがるから、こいつはイケネエと、そのまま魚市場へ舟をあげて、スシ食ってねちまったんでさア」
「一晩中米神で釣ってたんだな」
「そうですよ」
「何か見なかったか」
「魔法使いじゃありませんぜ。夜の海で何か見える人がいますかい。手もとへあがってくるイカのほかにね」
「船は見なかったか」
「舟の灯は見ましたがね。ゆうべは何バイもでゝいません。ボクの見た灯は、あれで六ツか七ツぐらいかね」
「砲声をきかなかったか」
「そいつは、たしかに、ききましたよ」
「どっちにきこえた」
「早川口の沖あたりかね。そう遠くないように思いましたが、夜の海上は音の走りがすごく良いから、見当がつきませんや。