轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
06 第六分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 页
(なるほど、これでは、食糧がなくなったくらいでは、なかなか陥落ないわけ、石にかじりついても、この城はこの人々で守られよう……)
官兵衛はここへ来るまでのあいだに、なお少しも衰えていない城兵の士気を見て、いよいよ自分の任の重きを感じた。――それはまた直ちに、主君秀吉の直面している現状の容易ならない立場が、思いやらるる深憂ともなった。――
(どうしても、自分の託されている使命は、首尾よく果して、亡き半兵衛どのの霊をなぐさめ、また殿の直面しておらるる長囲難攻の御困難をも、ここで打開し去らなければならん)
と、独り心に誓いかため直していた。
今、そうした彼のすがたを、目前に迎えた後藤将監以下、城方の人々も、
「――これは」
と意外な思いに打たれた面持であった。
前年以来、勝ち誇っている寄手の敵将、さだめし威儀をつくろい、傲然ここへ臨むと思いのほか――供といえば可憐な一少年ひとりしか見えない。そして当の官兵衛は、将監のすがたを見かけると、いそいで輿を地上に降ろさせ、不自由な隻脚を立てて、
「やあ、別所どのの御家老、後藤基国どのとは、あなたでござったか。黒田官兵衛です。