轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あんこくせい

暗黒星

江戸川 乱歩

「講談倶楽部」1939(昭和14)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,000 字 · 188 页

青空文庫

僕が起こしてやりますよ」

明智は気軽に言って、部屋にはいり、ベッドに近づくと、いきなり一郎を揺り起こした。

「一郎君、起きたまえ。僕だよ。僕だよ」

幾度も同じことを繰り返しているうちに、一郎はやっと眼を醒まして、ボンヤリした顔でキョロキョロとあたりを見まわしていたが、明智の顔を意識すると、びっくりしたように、ベッドの上に起きなおった。

「おやっ、明智先生じゃありませんか。いついらっしたのです。僕すっかり寝すごしちゃって、失礼しました。きょうは幾日なんだろう。変だな。僕、先生は病院にいらっしゃるとばかり思っていたのですよ。退院はあすじゃなかったのですか」

「一日繰り上げて、けさ退院させてもらったのだよ。君のことが気になったものだからね」

「えっ、僕のことが?」

「君は井戸へほうりこまれていたっていうじゃないか。僕が病院に寝ているあいだに、いろいろなことが起こったね。でも、怪我がなくってよかった。起きられるかい。実は君を喜ばせることがあるんだよ」

「ええ、起きられます。でも、僕を喜ばせることって?」

一郎は疲労のために青ざめた顔に、強いて微笑を浮かべながら聞き返した。