轻松读懂日语经典作品
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あんこくせい
暗黒星
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」1939(昭和14)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,000 字 · 188 页
「お父さんがご無事だったのだよ」
「えっ、父が?」
「そればかりじゃない。綾子さんも見つかったんだ」
「えっ、姉さんも?」
一郎はいきなりベッドを飛び降りて、ドアの方へ駈け出しながら、
「どこです。どこにいるんです。早く会わせてください」
と狂気のように叫ぶのであった。
「そんなにあわてることはない。二人ともあちらの部屋のベッドにいるんだよ。しかし、非常に疲労しているから、あまり騒ぎ立ててはいけない。お父さんたちの無事な姿を一と眼見たら、またこの部屋に帰って、今後の捜査についてよく相談することにしよう。さあ、僕と一緒にきたまえ」
一郎は明智に助けられて、よろめきながら、父と綾子の横たわっている部屋にたどりついた。彼もまだ普通のからだではなく、それだけ歩くのにも、ハッハッと息を切らしていた。
父と子と姉と弟とは、手を取り合わんばかりにして、互いの無事を喜び合った。だが一郎はほんの二、三分しかその部屋にどどまることができなかった。伊志田氏はそれほどでもなかったが、綾子が非常に疲労して神経過敏になっているので、激情的な会話をつづけることは差し控えなければならなかった。