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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

大体民藝は一番忠実に伝統を受け継ぐものでありますし、かつ雑器であるためか、かえって無造作に自由に作られ、昔の生気を失っていないものが多いのであります。黒釉で有名な油滴天目と称するものがありますが、今でも形や色を実にうまく作ります。知らなかったら、きっと宋代の油滴と間違えるほどであります。この博山は、また硝子細工を以て名があり、今も仕事を続けて居ります。

北支の工藝で、世界に名を成したのは、絨毯であります。特に天津と北京とは有名で、今日も仕事は盛であります。年々海外に輸出する額は、決して少くありません。日本では室内に絨毯を用いる習慣が余りないので、優れた発達の歴史を有ちませんが、支那の家屋には甚だ必要であって、その歴史は古く、今日まで随分見事なものが作られて居ります。それが続き今も生産は盛であります。最近のものは著しく模様が悪くなり、色調も俗になったことは、甚だ遺憾なことであります。材料も手法も健全なものがあるので、模様と色彩とさえ改めれば、再び立派なものに甦るでありましょう。

この十数年来、北支の刺繍やレースは、輸出品として相当の成績を見せて居りますが、しかしこれらのものは欧米人の指導のために支那固有の美がなく、これを北支の産と呼ぶことは至当ではありません。