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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

あの「とばるま」でも聞きながら死んだらば、どんなに幸いかと思うのであります。

玉城盛重翁は真に名優でありました。私は幾度もその技に見とれました。顔も美しい顔でした。しかし七十歳を越えていたので、健康を気づかっていましたが戦争中亡くなられた由を知って、実に惜しい気がしました。誰が衣鉢を嗣ぐのでしょうか。かつて那覇の珊瑚座に八重山から星某という人が来ましたが、素晴らしい踊手で、あの「鷲の鳥節」を舞った時は、その気品のある格の高い藝に全く恍惚としました。今でも健在でしょうか。ああいう藝は世界に知らせたいものです。珊瑚座といえば、真境名由康氏はどこに今居られるでしょうか。優れた藝でした。可愛い二人の娘さんたちも、今も組踊を続けているでしょうか。小屋が焼かれてその後どうなっているのかと思います。

那覇といえば、毎夕六時頃から開かれる市のことが思い出されます。市場では食べ物から日常の雑貨に至るまで色々と店を張りますが、私どもに一番魅力があったのは、野天の広場にかかる古着の市でした。私が行ったのは昭和十三、四、五年頃ですが、その頃でも古着の市は見ものでした。(もっと以前だったら大変なものだったでしょう)。