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うんせききこう

柳宗悦 民藝紀行

柳 宗悦

柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页

青空文庫

また同じ呼び方でも地方により形を全く異にするものなどあって複雑である。

最も古くからある名称は「けら」という言葉で、今は主として東北に残る。特に津軽地方のものは名高い。「みの」と「けら」とを同じ意にとる所もあり、使い分けしている所もあるが、そもそも「けら」の語源は何なのか。今日までの唯一の手がかりは、『延喜式』六、斎院に「螻※(「くさかんむり/衣」、第4水準2-86-18)」、同十五、内蔵に「螻蓑」とあるのみである。蓑を着た様が、短い硬い羽を有つ螻の姿に似た所から来たのであろう。今日残る「けら」という奇異な名称は、この遠い昔の言葉をそのまま受け承いでいるのであろう。

手法の発達した津軽地方では、「織げら」「伊達げら」などいう言葉を用いる。編み方の美しさを誇る名である。材料によって「まだげら」、「うりきげら」、「くごげら」、「がまげら」、「みごげら」、「わらげら」、「稲苗げら」、「うみぐさげら」、「くもげら」など色々いう。羽後や陸中や陸前あたりでは、背中当のことを「ねこげら」と呼んでいる。背中当はしばしば蓑と区別されない。「ねこ」は「ねこがき」(猫掻)という言葉がある如く、編むのが爪で掻く動作によるからである。