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うんせききこう
柳宗悦 民藝紀行
柳 宗悦
柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页
浜田や塚田君の斡旋でついにそれを購うこととなり、そのまま東京に移した。今住んでいるのがそれである。それは昭和九年の十月である。こんな事情で私は益々石屋根に心を向けた。
しかしこの特色ある石屋根に付て注意した人は極めて少ないと見える。未だ紹介されたのを聞かない。逢うどの建築家に尋ねても皆知らないという。これほど特長のはっきりした日本の屋根はないはずだが、どの建築史家も語ったことがないのはむしろ不思議に思える。まして東京から遠い土地ではない。それで私たちはその道に素人ではあるが、いつか『工藝』で紹介したい考えを強めた。それには多少でも調査が必要である。浜田と相談し宇都宮の塚田泰三郎君に依頼して、ほぼ地理的分布を調べてもらった。同氏の熱心な援助がなかったら、私たちのこの企ても延びてしまったかもしれぬ。
昭和十年十月十二、十三の両日、浜田、塚田、水谷および私の四人、それに写真師として西鳥羽君が加わり、調査および撮影に時を送った。宇都宮を間に挟み東は真岡より西は文狭、鹿沼一帯を見て廻った。大体宇都宮を中心として十里の半径を描けば、ほぼその中に分布される。だから特殊な事情の許で一地方に発達した様式で、遠くには及んでいない。