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うんせききこう
柳宗悦 民藝紀行
柳 宗悦
柳宗悦『柳宗悦 民藝紀行』。同一底本的分册已合并为一书。收入:雲石紀行、沖縄の思い出、思い出す職人、樺細工の道、北九州の窯、現在の日本民窯、小鹿田窯への懸念、全羅紀行、台湾の民芸について、多々良の雑器、地方の民芸、苗代川の黒物、日田の皿山、北支の民芸(放送講演)、益子の絵土瓶、蓑のこと、野州の石屋根、陸中雑記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,050 字 · 276 页
それに大の料理通で、私は長夜の宴に列する栄を度々得たことでした。もし誰かが出て、同男の生涯を記録したら、それこそ興味深い読みものになることと思います。実に沖縄の活きた字引でありました。今度の戦争が、あの桃原の邸宅を壊し、あの蒐集を灰にし、休らう住家を与えなかったとすれば、老齢の男爵には、余命を続ける意味も失われていたのかもしれません。同男の死を耳にした時、哀悼の念に堪えませんでした。
惜しいといえば、那覇にあった図書館であります。地方的特色ある図書館としては、たしかに日本随一のものでありました。どんな沖縄学者も、この図書館を訪れることなくして、正しい研究を遂げることは出来ませんでした。それほど沖縄に関する文献は、完璧に近く、世にも貴重な蒐集でありました。それというのも三代に渡って沖縄第一の学者が、館長になっておられたからであります。真境名安興、伊波普猷、島袋全発の三氏の名は記憶されねばなりません。その最後の島袋氏が知事の命で罷免された時は、私どもさえ腹立たしく思いました。余りその図書館を沖縄文献に片よらせ過ぎるというのが、非難の一つだったということであります。