轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いきにんぎょう

活人形

泉 鏡花

「探偵小説第十一集 活人形」春陽堂、1893(明治26)年5月3日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,111 字 · 82 页

青空文庫

今得三は国の仇、城を二十重に囲まれたれば、責殺されんそれまでも、家は出でずに守るという。男勝りの心に恥じて、強いてとも言い難く、さればとてこのままにては得三の手に死ぬばかりぞ、と抱き合いつつ泣きいたりしを、得三に認められぬ。言語道断の淫戯者片時も家に置難しと追出されんとしたりし時、下枝が記念に見たまえとて、我に与えし写真あり。我はかの悪僕に追立てられて詮方無く、その夜赤城の家を出で、指して行方もあらざればその日その日の風次第、寄る辺定めぬ捨小舟、津や浦に彷徨うて、身に知る業の無かりしかば、三年越しの流浪にて、乞食の境遇にも、忘れ難きは赤城の娘、姉妹ともさぞ得三に、憂い愁い目を見るならむ。助くる術は無きことか、と頼母しき人々に、一つ談話にするなれど、聞くもの誰も信とせず。思い詰めて警察へ訴え出でし事もあれど、狂気の沙汰とて取上げられず。力無く生甲斐無く、漣や滋賀県に佗年月を過すうち、聞く東京に倉瀬とて、弱きを助くる探偵ありと、雲間に高きお姓名の、雁の便に聞ゆるにぞ、さらば助を乞い申して、下枝等を救わむと、行李そこそこかの地を旅立ち、一昨日この地に着きましたが、暑気に中りて昨日一日、旅店に病みて枕もあがらず。