轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
前篇 猟奇の果、後篇 白蝙蝠「文藝倶楽部」博文館、1930(昭和5)年1月~12月<br>「猟奇の果」もうひとつの結末「猟奇の果」日正書房、1946(昭和21)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 134,971 字 · 270 页
と、キラリと彼の目を射たものがある。彼にとって何という僥倖であったか、迂闊千万にもそこのテーブルの上に、一挺のピストルが置いてあるではないか。
彼は鉄砲玉の様にテーブルに飛びついて、殆ど無感覚になった手で、一生懸命そのピストルを掴むと、クルリと振向いて、筒口を曲者の胸に向けた。
「こいつは大縮尻だ。うっかりピストルを忘れていましたよ。ハハハハ」
怪物はビクともしない。平気で大手を拡げたままだ。
愛之助は敵の余りに大胆な様子に、ふとあることに気づいてギョッとした。
「さては、貴様。このピストルは空だな」
「ハハハハ、よく気の廻るお人だ。空じゃありません。ちゃんと丸がこめてありますよ。だがあなたピストルを打ったことがありますか。打ち方を御存知ですか。それに、ホラ、あなたの手は中気病みの様にブルブル震えているじゃありませんか。ハハハハ、ピストルなんて、持手によっては、そんなに怖しいもんじゃありませんよ」
「そこをのき給え。のかないと、本当に打つよ」
愛之助は、声を震わすまいと一生懸命になって叫んだ。
「お打ちなさい」
怪物はやっぱりニヤニヤ笑っている。相手に発砲の勇気がないとみくびっているのだ。