轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

前篇 猟奇の果、後篇 白蝙蝠「文藝倶楽部」博文館、1930(昭和5)年1月~12月<br>「猟奇の果」もうひとつの結末「猟奇の果」日正書房、1946(昭和21)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 134,971 字 · 270 页

青空文庫

「青木? 青木と申しますと」

「マア……」

芳江は唇の色を失って、立ちすくんでしまった。非常に恐ろしいことが、今自分の前に笑っているのは品川と非常によく似た別人だということが、薄々分って来たからである。

「あなた、どなたですの。品川さんじゃありませんの」

乾いた唇で、彼女はやっと云った。

「品川四郎。アア、あの好人物の科学雑誌社長のことをおっしゃっているのですか。違いますよ。僕はあの人の影なんです。影だから名前はありません。つまり第二の品川ですね。併し、本物よりはちっとばかり利口なつもりです」

怪物は叮寧な言葉で、絶えず微笑を浮べながら、事もなげに説明する。

「不思議ですか。不思議でしょう。双生児ででもなければ、こんなによく似た男が二人いる筈はないと思うでしょう。ね、思うでしょう。そこですよ、そこに我々人間の大きな弱点があるのです。古来の犯罪者達が、どうしてこの大きな弱点を見逃していたか、私は気が知れませんよ。これを利用しないのは嘘じゃありませんか。これを利用すれば、どんな大仕事だって、国家というものを根底からくつがえすことだって、或は全世界を一大動乱に導くことだって、造作はないのですよ。