轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

前篇 猟奇の果、後篇 白蝙蝠「文藝倶楽部」博文館、1930(昭和5)年1月~12月<br>「猟奇の果」もうひとつの結末「猟奇の果」日正書房、1946(昭和21)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 134,971 字 · 270 页

青空文庫

その時愛之助は、歩き疲れて、浅草公園の池に面した藤棚の下の柱に凭れて、ボンヤリ池に映るイルミネーションを眺めていた。藤棚の下に並んだ数脚のベンチには、影の様な浮浪者の一群がおとなしく黙り返って腰かけていた。彼等はどれもこれも、ひどく餓えて、それを、訴える力さえ失って、あきらめ果てて、ぐったりしている様に見えた。

その中に一人丈け、周囲の浮浪者達とは際立って立派な風采の青年が混っていた。浅草青年というよりは寧ろ銀座青年という風采が、愛之助の注意を惹いた。そう云えば、愛之助にしたって、ちっとも浅草人種ではなかった。ましてそんな藤棚の下などに、ぼんやり佇んでいるのは、どうも似つかわしくなかった。と云う訳で、この二人、愛之助と銀座型青年とは、期せずしてお互の存在を意識し合ったのである。

で、愛之助はチラとあることを頭に浮べた。と云うのは、彼が予て知っていた、アサクサ・ストリート・ボーイズのことだ。猟奇家の彼が、そういうものの存在を知らぬ筈はないのだから。

愛之助は、十二階を失い、江川娘玉乗りを失い、いやにだだっ広くなった浅草には、さして興味を持たなかった。