轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

前篇 猟奇の果、後篇 白蝙蝠「文藝倶楽部」博文館、1930(昭和5)年1月~12月<br>「猟奇の果」もうひとつの結末「猟奇の果」日正書房、1946(昭和21)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 134,971 字 · 270 页

青空文庫

広っぱの一隅にこんもりした木立に囲まれて、ぽっつりと黒い一軒家が見える。洋館らしい二階建で、石の門がついている、男はその門を這入って、玄関の扉を鍵で開いて、スッと屋内に姿を消した。その様子で見ると、家の中には誰も留守番がいないらしい。幽霊男は、この化物屋敷にたった一人住んでいるのだろうか。

暫く待ってもどの窓にも燈火の影さえささず、ひっそりとして屋内に人の気配もせぬ。彼奴、あかりもともさず、あのまま寝台へもぐり込んでしまったのであろうか。愛之助は思い切って石の門を這入り、家の横手に廻って、どこか覗ける箇所はないかと探して見た。

窓はあるけれどどれも内部が真暗で、顔をくっつけても何も見えぬ。尋ねあぐんで、ふとうしろを振向くと、庭の立木の一部が、異様にほの明るくボーッと浮出しているのに気づいた。どこからか非常に薄い光がさしているのだ。分った分った、二階にいるんだなと気がついて、少し建物を離れて見上げると、案の定二階のガラス窓の一つが、ぼんやり赤く見える。だが何という暗い光だ。電燈ではない。恐らく蝋燭の光であろう。

電燈もない所を見ると、やっぱり空家かしら。