轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

03 下巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 页

青空文庫

芝居の廊下での話はそれだけであったが、幸子はお春がまだ何か知っていそうな気がしたので、翌々日の朝、悦子のピアノの稽古日に、妙子が留守になるのを待って、今日は悦子にお照を附けて出して遣り、お春を応接間に呼び入れてあとを聞いた。と、お春は、もう外に存じませんけれど、………と云いながら又こんなことを話した。―――自分はあのお方は大阪の方に住んでいらっしゃるのだとばかり思っていたところ、西宮の一本松の傍に家があると云われたのが意外だったので、或る日、あのマンボウを通り抜けて、一本松の所まで行って見たら、成る程ほんとうにお宅があった。前が低い生垣になっている、赤瓦に白壁の文化住宅式の小さな二階家で、ただ「奥畑」とだけ記した表札が上っていたが、表札の木が新しかったのを見ると、極く最近に移って来られたのであろう。自分が行ったのは夕方の六時半過ぎ、大分暗くなってからであったが、二階の窓がすっかり開け放してあって、白いレースのカーテンの中に明るい電燈が燈っており、蓄音器が鳴っていたので、暫く立ち止まって様子を窺うと、たしかにあのお方ともう一人、―――女の方らしい人の声がしたけれども、レコードの音に妨げられてはっきりとは聞き取れなかった。