轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
これはもっと冷静に考えて見る必要がある」
と思った。もう未練が出たのである。松浦家が旗本だとは初めて聞く。しかし旗本だから平民と縁組をしないなぞと言うものは今日の社会には先ずない。松浦さんにしても奥さんにしても、そんな風はにも出さなかった。生活は贅沢だが、少しも見識張っていない。新太郎君は何かの話の切っかけに、
「あなたのところのお父さんも何処かの重役だったんでしょう?」
と俊男君に訊いたことがある。
「いゝえ、無職ですよ」
「今は然うでしょうが、以前はですよ」
「以前からですよ」
「それじゃ兄さんもお父さんも始終遊んでいらっしゃるんですか?」
「大屋さんですよ」
と俊男君は笑って答えた。これは興信所で調べたところに一致していた。山の手には地価の騰貴と共に所謂大屋の凸凹から向上した金持が多い。以来新太郎君も松浦家を大方そんなものだろうと思っていた。それで先頃見舞に行った時、厳めしい大玄関を意外に感じたのだった。
「秀子さんに些っとも罪はない」
と新太郎君は気分が落ちつくと共に机の上の鏡を覗いた。それから筆立の櫛を取って、髪を分けながら考え続けた。松浦さん夫婦も此方に充分の好意を持っている。