轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
「いゝえ。女中達を写してお父さんに御覧に入れたら、『これは刑務所の女囚かい?』とお訊きになったんでも分っていますわ」
「散々ですな」
「嬉しがって写して戴くのは姉さんぐらいのものよ」
「それじゃ止めます」
と友三郎さんは諦めかけたが、
「僕丈け願いましょう」
と新太郎君はこゝぞ恩返しと思って進み出た。
「秀子さん」
「はあ」
「記念です。何うぞ」
と友三郎さんは悃願した。
「厭よ」
「それじゃ私も考えがありますよ」
「何あに?」
「今度の音楽会へお供しないから宜いです」
「真正?」
「真正ですとも」
「それじゃ写して戴きますわ」
と秀子さんは案外脆かった。友三郎さんが一緒でないと夜分の外出を許されないのだから仕方がない。
友三郎さんの写真は先頃アメリカ帰りの友人に機械を貰ってからの道楽だから未だ日が浅い。下手な上に手間が取れる。二人を松の木の下に並べて種々と註文をつける。
「西川さんは心持ち前へ出て見て下さい。あゝ、出過ぎました」
「秀子さんはもっと上を見る」
と大騒ぎだ。しかし新太郎君は秀子さんと一緒だから少しも迷惑でない。言われるまゝになっている。
「西川さん、もう少し秀子さんの方へ寄って」