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がいとうからみたしんとうきょうのりめん
街頭から見た新東京の裏面
杉山 萠円
「九州日報」1924(大正13)年10~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页
こうして一月ばかりして開票されると、投票数が何千何百人、当選者の氏名なぞをその往来に貼り出して、今度は名前入り引き札付きの紙を売るので、押すな押すなの盛況で売れて行く。
次に価格懸賞募集というのは、たとえば或る洋品店で毛糸のシャツの山をショーウインドの中に三つ作って、一号から三号まで印を付ける。一方に一等賞から五等賞まで、十円以下の品物の賞品を二三十積み上げて、表にこんな大看板を立てる。
「当店が今秋の破格大安売りとして提供すべきこの品の一号二号三号までの価格を御決定下さい。公正なる発表を致しまして当選者には陳列の品物を一個宛呈上致します。当店の社会奉仕的精神の発露は今や極度に……」
云々と書いて、鉛筆と紙と投票箱が添えてある事は前の通りである。
通りかかりの労働者、学生、紳士などは勿論、人通りのすくない雨の日なぞは、女子学生らしいのまで硝子窓の外から穴のあく程品物をのぞいては鉛筆をヒネクッていた。
十四五日にして開票の結果は、総数二千有余、何円以下何円以上何名何名、一等八円いくら、二等六円何ぼ、三等五円なにがしと決定して、一等二等の当選者の宛名にした賞品の小包みが山積してあった。