轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

がいとうからみたしんとうきょうのりめん

街頭から見た新東京の裏面

杉山 萠円

「九州日報」1924(大正13)年10~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页

青空文庫

これは一面から見ればたしかに進化に相違ないが、一方から見れば退化としか見られぬ事が多い」

この事実を最も著明に証拠立てたのが今度の地震であった。

今度の地震で、あらゆる家が焼けたり、たおれたりして、多勢の人が逃げ迷うのを見た東京人は、家とか財産とかいうものがまるで当てにならないものであると感じた。

さなきだに東京の人間は、江戸の昔から家に対する執着心が薄かった。

「一人もの店賃程は内に居ず」

「煤掃きも面倒臭いと移転する」

で、家に対する執着が誠に少ないところへ、大地震と大火事で肝の潰れる程の教訓を受けたのだからたまらない。その後も引き続きグラグラと来るたんびに、何でも身に付く以外のものは無くなっても構わないようにという気持ちになって来た。

一方、震災後地方から押し上った連中も、早速この風にカブレてしまった。コレという家財も無い身の軽い生活がこの道楽に陥り易い事は云う迄もない。況んや「風采即信用」という風俗の格言が滔々として世を蔽いつつあるに於てをやである。

つまり、こうしておつとめ服の身のまわりにさえ金をかけておけば、借金取りでも滅多に寄り付けぬ。