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がいとうからみたしんとうきょうのりめん
街頭から見た新東京の裏面
杉山 萠円
「九州日報」1924(大正13)年10~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 页
これはその筋のしらべであるが、彼等の中では百五十円以上の金を取るものがザラにあるそうである。
ところが、一度当局の立ち退き命令にぶつかると、彼等の態度は俄にちぢこまってしまう。
「おまえたちはみんな相当の収入があるではないか。もう立ち退けぬことはあるまい。今は不景気で家賃も高価くないから、そんなに困ることはあるまい。東京市民の税金で東京市民のために作った公園だから、そういつまでも、みっともない家で塞いでいるわけに行かぬ。東京の恥、日本の恥だ。無理なことをせぬように何ヶ月前からちゃんと予告してあるのだ。この際是非立ち退いてくれ」
と、噛んで含めるように腰弁から説明を受けながら、チュウとも云い得ず首をちぢめている。そうして立ち退くかと思うと、矢っ張りグズグズして、屋根の破れに莚をのっけたり、壁の穴に紙を貼ったりしている。
とうとう当局で業を煮やして、強制的に立ち退かせようとすると、
「われわれはほかに行く力が無い。われわれの生活を奪うのは残酷ではありませんか」
と社会主義の腐ったような理窟を、憐っぽい声で並べて動かないので、始末におえない。
「それは一種の復興気分かも知れぬが、あまり情ないではないか。