轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
肆
肆
窓の女の種姓は、実は岡田を主人公にしなくてはならぬこの話の事件が過去に属してから聞いたのであるが、都合上ここでざっと話すことにする。
まだ大学医学部が下谷にある時の事であった。灰色の瓦を漆喰で塗り込んで、碁盤の目のようにした壁の所々に、腕の太さの木を竪に並べて嵌めた窓の明いている、藤堂屋敷の門長屋が寄宿舎になっていて、学生はその中で、ちと気の毒な申分だが、野獣のような生活をしていた。勿論今はあんな窓を見ようと思ったって、僅かに丸の内の櫓に残っている位のもので、上野の動物園で獅子や虎を飼って置く檻の格子なんぞは、あれよりはかにきゃしゃに出来ている。
寄宿舎には小使がいた。それを学生は外使に使うことが出来た。白木綿の兵古帯に、小倉袴を穿いた学生の買物は、大抵極まっている。所謂「羊羹」と「金米糖」とである。羊羹と云うのは焼芋、金米糖と云うのははじけ豆であったと云うことも、文明史上の参考に書き残して置く価値があるかも知れない。小使は一度の使賃として二銭貰うことになっていた。
この小使の一人に末造と云うのがいた。外のは鬚の栗の殻のように伸びた中に、口があんごり開いているのに、この男はいつも綺麗に剃った鬚の痕の青い中に、脣が堅く結ばれていた。