轻松读懂日语经典作品
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がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
拾陸
打ち遣って置く。なぐるなんと云う余計な手数は掛けない。そんな無駄をする程なら、己は利足の勘定でもする。女房をもその扱いにしていたのだ。
お常奴己になぐって貰いたくなったのだ。当人には気の毒だが、こればかりはお生憎様だ。債務者の脂を柚子なら苦い汁が出るまで絞ることは己に出来る。誰をも打つことは出来ない。末造はこんな事を考えたのである。
拾陸
無縁坂の人通りが繁くなった。九月になって、大学の課程が始まるので、国々へ帰っていた学生が、一時に本郷界隈の下宿屋に戻ったのである。
朝晩はもう涼しくても、昼中はまだ暑い日がある。お玉の家では、越して来た時掛け替えた青簾の、色の褪める隙のないのが、肱掛窓の竹格子の内側を、上から下まで透間なく深く鎖している。無聊に苦んでいるお玉は、その窓の内で、暁斎や是真の画のある団扇を幾つも挿した団扇挿しの下の柱にもたれて、ぼんやり往来を眺めている。三時が過ぎると、学生が三四人ずつの群をなして通る。その度毎に、隣の裁縫の師匠の家で、小雀の囀るような娘達の声が一際喧しくなる。それに促されてお玉もどんな人が通るかと、覚えず気を附けて見ることがある。