轻松读懂日语经典作品
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がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
煮肴に羊栖菜や相良麩が附けてあると、もうそろそろこの嗅覚の hallucination が起り掛かる。そしてそれが青魚の未醤煮に至って窮極の程度に達する。
然るにその青魚の未醤煮が或日上条の晩飯の膳に上った。いつも膳が出ると直ぐに箸を取る僕が躊躇しているので、女中が僕の顔を見て云った。
「あなた青魚がお嫌」
「さあ青魚は嫌じゃない。焼いたのなら随分食うが、未醤煮は閉口だ」
「まあ。お上さんが存じませんもんですから。なんなら玉子でも持ってまいりましょうか」こう云って立ちそうにした。
「待て」と僕は云った。「実はまだ腹も透いていないから、散歩をして来よう。お上さんにはなんとでも云って置いてくれ。菜が気に入らなかったなんて云うなよ。余計な心配をさせなくても好いから」
「それでもなんだかお気の毒様で」
「馬鹿を言え」
僕が立って袴を穿き掛けたので、女中は膳を持って廊下へ出た。僕は隣の部屋へ声を掛けた。
「おい。岡田君いるか」
「いる。何か用かい」岡田ははっきりした声で答えた。
「用ではないがね、散歩に出て、帰りに豊国屋へでも往こうかと思うのだ。一しょに来ないか」
「行こう。