轻松读懂日语经典作品
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がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
貸家の札が張ってあるので這入って見ると、まだ人が住んでいて、五十ばかりの婆あさんが案内をして中を見せてくれた。その婆あさんが問わずがたりに云うには、主人は中国辺の或る大名の家老であったが、廃藩になってから、小使取りに大蔵省の属官を勤めている。もう六十幾つとかになるが、綺麗好きで、東京中を歩いて、新築の借家を捜して借りるが、少し古びて来ると、すぐ引き越す。勿論子供は別になってしまってから久しくなるので、家を荒すような事はないが、どうせ住んでいるうちに古くなるので、障子の張替もしなくてはならず、畳の表も換えなくてはならない。そんな面倒をなるたけせぬようにして、さっさと引き越すのだと云うのである。婆あさんはそれが厭でならぬので、知らぬ人にも夫の壁訴訟をする。「この内なんぞもまだこんなに綺麗なのに、もう越すと申すのでございますよ」と云って、内じゅうを細かに見せてくれた。どこからどこまで、可なり綺麗に掃除がしてある。末造は一寸好いと思って、敷金と家賃と差配の名とを、手帳に書き留めて出た。
今一つは無縁坂の中程にある小家である。それは札も何も出ていなかったが、売りに出たのを聞いて見に行った。