轻松读懂日语经典作品
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がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
日曜日には舟を漕ぎに行くか、そうでないときは遠足をする。競漕前に選手仲間と向島に泊り込んでいるとか、暑中休暇に故郷に帰るとかの外は、壁隣の部屋に主人のいる時刻と、留守になっている時刻とが狂わない。誰でも時計を号砲に合せることを忘れた時には岡田の部屋へ問いに行く。上条の帳場の時計も折々岡田の懐中時計に拠って匡されるのである。周囲の人の心には、久しくこの男の行動を見ていればいる程、あれは信頼すべき男だと云う感じが強くなる。上条のお上さんがお世辞を言わない、破格な金遣いをしない岡田を褒め始めたのは、この信頼に本づいている。それには月々の勘定をきちんとすると云う事実が与かって力あるのは、ことわるまでもない。「岡田さんを御覧なさい」と云う詞が、屡々お上さんの口から出る。
「どうせ僕は岡田君のようなわけには行かないさ」と先を越して云う学生がある。此の如くにして岡田はいつとなく上条の標準的下宿人になったのである。
岡田の日々の散歩は大抵道筋が極まっていた。寂しい無縁坂を降りて、藍染川のお歯黒のような水の流れ込む不忍の池の北側を廻って、上野の山をぶらつく。それから松源や雁鍋のある広小路、狭い賑やかな仲町を通って、湯島天神の社内に這入って、陰気な臭橘寺の角を曲がって帰る。