轻松读懂日语经典作品
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がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
「ほんとにあんな厭なお上さんてありやしないわ。あんな内のお肴を誰が買って遣るものか。もっと先の、小さいお稲荷さんのある近所に、もう一軒ありますから、すぐに行って買って来ましょうね」慰めるようにお玉の顔を見て起ち上がる。お玉は梅が自分の身方になってくれた、刹那の嬉しさに動されて、反射的に微笑んで頷く。梅はすぐばたばたと出て行った。
お玉は跡にそのまま動かずにいる。気の張が少し弛んで、次第に涌いて来る涙が溢れそうになるので、袂からハンカチイフを出して押えた。胸の内には只悔やしい、悔やしいと云う叫びが聞える。これがかの混沌とした物の発する声である。肴屋が売ってくれぬのが憎いとか、売ってくれぬような身の上だと知って悔やしいとか、悲しいとか云うのでないことは勿論であるが、身を任せることになっている末造が高利貸であったと分かって、その末造を憎むとか、そう云う男に身を任せているのが悔やしいとか、悲しいとか云うのでもない。お玉も高利貸は厭なもの、こわいもの、世間の人に嫌われるものとは、仄かに聞き知っているが、父親が質屋の金しか借りたことがなく、それも借りたい金高を番頭が因業で貸してくれぬことがあっても、父親は只困ると云うだけで番頭を無理だと云って怨んだこともない位だから、子供が鬼がこわい、お廻りさんがこわいのと同じよう