轻松读懂日语经典作品
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がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
末造はその話の内容を聴くよりは、籠に飼ってある鈴虫の鳴くのをでも聞くように、可哀らしい囀の声を聞いて、覚えず微笑む。その時お玉はふいと自分の饒舌っているのに気が附いて、顔を赤くして、急に話を端折って、元の詞数の少い対話に戻ってしまう。その総ての言語挙動が、いかにも無邪気で、或る向きには頗る鋭利な観察をすることに慣れている末造の目で見れば、澄み切った水盤の水を見るように、隅々まで隠れる所もなく見渡すことが出来る。こう云う差向いの味は、末造がためには、手足を働かせた跡で、加減の好い湯に這入って、じっとして温まっているように愉快である。そしてこの味を味うのが、末造がためには全く新しい経験に属するので、末造はこの家に通い始めてから、猛獣が人に馴れるように、意識せずに一種の culture を受けているのである。
それに三四日立った頃から、自分が例の通りに箱火鉢の向うに胡坐を掻くと、お玉はこれと云う用もないに立ち働いたり何かして、とかく落ち着かぬようになったのに、末造は段々気が附いて来た。はにかんで目を見合せぬようにしたり、返事を手間取らせたりすることは最初にもあったが、今晩なんぞの素振には何か特別な仔細がありそうである。