轻松读懂日语经典作品
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がん
雁
壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页
と云って、覚束ない足を踏み締めて帰った。
こんな出来事があったので、お玉は心細くてならぬ所から、「隣を買う」と云うことをも覚えて、変った菜でも拵えた時は、一人暮らしでいる右隣の裁縫のお師匠さんの所へ、梅に持たせて遣るようになった。
師匠はお貞と云って、四十を越しているのに、まだどこやら若く見える所のある、色の白い女である。前田家の奥で、三十になるまで勤めて、夫を持ったが間もなく死なれてしまったと云う。詞遣が上品で、お家流の手を好く書く。お玉が手習がしたいと云った時、手本などを貸してくれた。
或る日の朝お貞が裏口から、前日にお玉の遣った何やらの礼を言いに来た。暫く立話をしているうちに、お貞が「あなた岡田さんがお近づきですね」と云った。
お玉はまだ岡田と云う名を知らない。それでいて、お師匠さんの云うのはあの学生さんの事だと云うこと、こう聞かれるのは自分に辞儀をした所を見られたのだと云うこと、この場合では厭でも知った振をしなくてはならぬと云うことなどが、稲妻のように心頭を掠めて過ぎた。そして遅疑した跡をお貞が認め得ぬ程速かに、「ええ」と答えた。
「あんなお立派な方でいて、大層品行が好くてお出なさるのですってね」