轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

がん

雁

森 鴎外

壱、弐、参「スバル 第三年九号」1911(明治44)年9月、肆、伍「スバル 第三年十号」1911(明治44)年10月、陸、漆「スバル 第三年十一号」1911(明治44)年11月、捌、玖「スバル 第三年十二号」1911(明治44)年12月、拾、拾壱「スバル 第四年二号」1912(明治45)年2月、拾弐「スバル 第四年三号」1912(明治45)年3月、拾参、拾肆「スバル 第四年四号」1912(明治45)年4月、拾伍、拾陸「スバル 第四年六号」1912(明治45)年6月、拾漆、拾捌「スバル 第四年七号」1912(明治45)年7月、拾玖「スバル 第四年九号」1912(大正1)年9月、弐拾「スバル 第五年三号」1913(大正2)年3月、弐拾壱「スバル 第五年五号」1913(大正2)年5月、弐拾弐、弐拾参、弐拾肆「雁」籾山書店1915(大正4)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,950 字 · 147 页

青空文庫

「好いどころじゃない。実はさっき帰ってからぼんやりしていた所へ、君が隣へ帰って来てがたがた云わせたので、奮って明りでも附けようと云う気になったのだ」こん度は声がはっきりしている。

僕は廊下に出て、岡田の部屋の障子を開けた。岡田は丁度鉄門の真向いになっている窓を開けて、机に肘を衝いて、暗い外の方を見ている。竪に鉄の棒を打ち附けた窓で、その外には犬走りに植えた側柏が二三本埃を浴びて立っているのである。

岡田は僕の方へ振り向いて云った。「きょうも又妙にむしむしするじゃないか。僕の所には蚊が二三疋いてうるさくてしようがない」

僕は岡田の机の横の方に胡坐を掻いた。「そうだねえ。僕の親父は二百十日のなし崩しと称している」

「ふん。二百十日のなし崩しとは面白いねえ。なる程そうかも知れないよ。僕は空が曇ったり晴れたりしているもんだから、出ようかどうしようかと思って、とうとう午前の間中寝転んで、君に借りた金瓶梅を読んでいたのだ。それから頭がぼうっとして来たので、午飯を食ってからぶらぶら出掛けると、妙な事に出逢ってねえ」岡田は僕の顔を見ずに、窓の方へ向いてこう云った。