轻松读懂日语经典作品
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
私は半生を復讐事業の為めに捧げました。ただ父の遺志を果す為に生きて来ました。そして、やっと、今晩、その目的を達したのです。玉村一家を亡ぼしてしまう時が来たのです。玉村さん。私の嬉しさが、あなたには分りますか。気違いになり相ですよ」
「少しも知らないことだ。わしの子供達は一層無関係だ。父親の仇を、その子と孫が受けなければならぬ道理はない。君は血迷っているのだ。気が違っているのだ。無関係なわし等を苦しめて、どうしようと云うのだ」
玉村氏は必死に抗弁した。
「それが知り度いのですか。知りたければ、スクリーンの裏の煉瓦の中を検べてごらんなさい。私がどうして、こんな気持になったか、分り過ぎる程分りますよ」
云ったかと思うと、ガタガタと走り去る足音、バタンと締る鉄扉の音、そして、その外から聞えて来る、ゾッとする様な悪魔の笑い声。
一郎と二郎とは、闇の中を扉に突進して、それを開こうとあせったが、頑丈な鉄板は二人や三人の力で、ビクともすることではない。
電燈をひねって見たが、外のスイッチが切ってあると見えて、点火しない。
「駄目です。お父さん、僕達はとじこめられてしまいました」