轻松读懂日语经典作品
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
「エエ、父の敵ですもの、憎くない筈はございません。でも、そんな怖い男に逢うのは……」
「イヤ、男ではないのです。犯人は女性なのです。しかもあなたのよく知っている人です。面と向ってあなたに危害を加え得る様な、強い女ではありません。その上相手に悟られぬ様に、こっそり隙見をする方法もあるのです」
「マア、あたしの知っている女の人でございますって? 誰でしょう。ちっとも心当りがないのですが」
「非常に意外な人物です」
「アア、若しや奥村源造の娘の文代ではありませんか」
「違います。文代はまだ未決監にいるのです。もっともっと意外な人物です。今夜十時になれば、そいつは捕縛されるに極っています。明朝は世間に知れ渡ってしまうのです。若し、それまで待ち切れなかったら、その空家へ行ってソッと隙見をなさいませんか。波越さんも僕も無論そこへ行くのです。あなたは多分犯人が逮捕される現場を見ることが出来ましょう」
「それは、一体どこの空家でございますの」
妙子は、もう明智の膝を離れて、犯人逮捕の吉報に夢中になっていた。無理もない。父が惨殺されたばかりか、奥村源造には、彼女自身も、度々死ぬ様な目に合わされている。