轻松读懂日语经典作品
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
なる程廊下に書生が見張り番をしていた。併し、令嬢であるあなたが、お父さんの部屋へ這入ったところで、少しも疑念を抱く筈はありませんし、又買収という手もあったのです。……
サア、これで大体あなたの悪事を数え上げた訳です。どこか間違った点がありますか」
明智が語り終ると、妙子は棄てばちに、落ちつき払って、抗弁を始めた。
「ホホホホホホ、まあ流石に見事な推理でございますわね。でも、卑怯ですわ。謎の解けない苦しまぎれに、あたしが玉村家の娘でないなんて。ホホホホホホ、あんまり馬鹿馬鹿しくて」
「お止しなさい。今更ら何とごまかしても、もう駄目です。僕はすっかり調べ上げたのです。れっきとした証人もあるのです」
明智はあくまでおだやかな調子で云う。
「マア、証人ですって? それは一体誰ですの」
「K私立病院の看護婦です。あなたの生れる時お世話をした看護婦を発見したのです。その女が、奥村源造から莫大な礼金を貰って、殆ど同時に出産した文代さんと君とを取替えたことを、とうとう白状したのです」
「マア、古めかしいお話ですこと。二十年も前の昔話が、何の証拠になりましょう。どんな拵えごとだって仕組めますわ」