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さんごくし

三国志

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁

青空文庫

泥魚

一

次男の袁煕は幽州へ、嫡子袁譚は青州に、それぞれ守るところへ還り、甥の高幹も、

「かならず再起を」と約して、ひとまず并州へと引揚げた。

――かくて大捷をえた曹操は、思いのまま冀州の領内へ進出してきたが、

「いまは稲の熟した時、田を荒らし、百姓の業をさまたげるのは、いかがなものでしょう。ことに味方も長途に疲れ、後方の聯絡、兵糧の補給は、いよいよ困難を加えますし、袁紹病むといえども、審配、逢紀などの名将もおること、これ以上の深入りは、多分に危険もともなうものと思慮せねばなりません」と、諸将みな諫めた。

曹操は釈然と容れて、

「百姓は国の本だ。――この田もやがて自分のものだ。憐れまないで何としよう」

一転、兵馬をかえして、都へさして来る途中、たちまち相次いで来る早馬の使いがこう告げた。

「いま、汝南にある劉玄徳が、劉辟、都などを語らって、数万の勢をあつめ、都の虚をうかがって、にわかに攻め上らんとするかの如く、動向、容易ならぬものが見えまする!」

泥魚

一

途中、しかも久しぶりに都へかえる凱旋の途中だったが――曹操はたちどころに方針を決し、

「曹洪は、黄河にのこれ。予は、これより直ちに、汝南へむかって、玄徳の首を、この鞍に結いつけて都へ還ろう」