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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 頁

青空文庫

五

ピタリ、鉢のまえに平伏していると、

「伊賀の名代、おもてを上げい」

前へ愚楽老人が来て、着座した。東照宮のおことばになぞらえて、敬称はいっさい用いない。

「はっ」

と上げた顔へ、突きだされたのは、今まで吉宗公の御前に飾ってあった、お三宝の白羽の矢だ。

「ありがたくお受け召され」

主水正、ふるえる手で、その白羽の矢を押しいただいた。

五

「ありがたきしあわせ……」

主水正、平伏したきり、しばし頭をあげる気力もない。

「柳生か」

はるかに、御簾の中から、八代公のお声、

「しからば、明年の日光造営奉行、伊賀藩に申しつけたぞ。名誉に心得ろ」

「ハハッ!」

もう決まってしまったから、ほかの大名連中、一時に気が強くなって、

「いや、光栄あるお役にお当たりになるとは、おうらやましい限りじゃテ」

「拙者も、ちとあやかりたいもので」

「それがしなどは、先祖から今まで、一度も金魚が死に申さぬ。無念でござる。心中、お察しくだされい」

「わたくしの藩も、なんとかして日光さまのお役に立ちたいと念じながら、遺憾ながら、どうも金魚に嫌われどおしで――」

うまいことを言っている。

吉宗公、さっき一同が、あかるみの中で愚楽老人に突っかえされて、皆もぞもぞうしろに隠している菓子箱へ、ジロリ鋭い一瞥をくれて、