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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
そして、荒い足音がすると
「小太っ、怒ったか」
と、怒鳴って、襖が開いた。
「おお、益満」
「これは」
益満が、御辞儀をした。
「小太郎は?」
「足下を探しに参ったが――」
「はて――」
益満は、坐って
「そこの遊芸師匠の家で――丁度小藤次の若い奴がおりましたので、小父貴だの、小太郎を毒づいて、お由羅の耳まで入るよう、一寸、小刀細工をしたが、小太め、本気にとりましての、かんかんになって駈け出して行ったが、戻らないとは」
「たのみがあるが――」
「何を――」
「暫く、深雪はあずかってもらいたい」
「そして、小父上は?」
「妻に、調所のもとを調べさせ、わしは、牧の在所を突き止め――」
「御尤もながら、今度のことは、一人二人の手で、何んとも仕様のないことで、証拠も握れましょうし、陰謀の形跡も、調べてわからぬこともないが、さて、何うそれを処分するか? もしこれに、斉興公が御同意なら、取りも直さず、斉彬公のために、その父君を、罪に処すことになる。同志の苦慮するところはここで――」
益満は、声をひそめた。
「万一の時には、久光殿を――」
指を立てて、斬る真似をした。
「禍根は、ここにござりましょう」